令和2年度・3年度の岡山県備前県民局事業「障害者アートを活用したデザインビジネス展開事業」受託からDSESIGN GOALSプロジェクト事務局を立ち上げるまで
岡山県備前県民局事業として始まった「障害者アートを活用したデザインビジネス展開事業」当委員会は、この事業を受託して事務局として2年間、企画・運営に携わってまいりました。この事業では、延べ80者以上のクリエーターの応募がありました。そのうち16者のクリエーター、14の事業者をマッチングし半年以上の期間をかけて事業者の希望するデザインを制作しました。障害ある方の個性の発揮、社会参加と自立の一助をなることを目指した同事業は一定の成果を上げることができました。
クリエーターからは、人に求められて絵を描くこと、デザイナーと一緒にデザインを制作すること、絵を描くことで報酬を得られることに大変やりがいを感じていただき、このような機会があれば是非挑戦したいとの声をたくさんいただきました。また事業者からも、希望するデザインが完成したことは勿論、自社の振り返りや社会貢献、社員の成長、SDGsの目標達成や、目に見える形での社会貢献ができたこと、そして個性的で印象的なクリエーターの作品が自社の商品や広告などに展開できたことに大変満足をいただきました。マスコミや県外からの注目も高く、この事業の社会的ニーズを感じることができました。
このような経緯を経て3年目となる2022年、事務局の有志がこの事業を引き継ぎ、民間の任意団体として事務局を立ち上げることとなりました。
協働をテーマに、クリエーターのアート作品をプロのデザイナーやデザインを学ぶ学生が商品や広告のデザインに展開します
事務局がコーディネートとサポートをしながら、打ち合わせや訪問、進行スケジュール管理をさせていただきます。「商業デザインの完成」という一つのゴールに向かって、知恵や意見を出し合う「協働」の場が動き出します。事業者の理念や業務内容、希望するデザインについてデザイナーがコンセプトを出し、クリエーターとの共同制作でアート作品やデザインを完成していきます。事業者の方は、障がいのある方を自社に迎え入れたり、情報伝達の仕方を工夫したりして、自社について今までに無い視点で振り返りをすることを経験いただきます。お互いを知り、さまざまな実体験をし試行錯誤をすることで、今までにない価値を醸成します。
クリエーターの著作権を保証し、事業者は適切な報酬を支払うことで障がいのある人の個性の発揮や自立の一つの形を作っていきます
参加事業者様には、クリエーターのアート作品やデザイナーのデザインについて、著作権に関する覚書や契約書をかわしていただきます。お互いの権利や義務について事務局が調整をかけ、必要に応じて弁護士のリーガルチェックを入れていただき、双方が納得のいく適切な報酬を保証してまいります。
完成したデザインを商品や広告媒体などに活用いただくことで、事業者や福祉事業所にとっても企業の社会的責任を目に見える形で残していただけます。これまで参加いただいた事例では、自社のHPや広報誌などの自社媒体でSDGsへの取り組みとして掲載いただいたり、マスコミの取材や経済誌、各種支援機関の広報誌でのご紹介など多方面から注目いただいております。
今年度DESIGN GOALSプロジェクトは、公営財団法人 福武教育文化振興財団様の助成を受けて事業をスタートすることができました。多くの皆様のご理解、ご協力、そしてご支援をいただきまして誠にありがとうございます。